【1月7日 AFP】経済危機で自殺問題の悪化が懸念される中、自殺を考えている人びとの相談に乗る「いのちの電話」が、人手が足りず対応が限界に達している。同団体の責任者が7日、語った。

 日本では年間3万人以上が自殺し、世界で最高水準の自殺率。

「いのちの電話」が実施する自殺相談ホットラインでは、7000人のボランティアが年間70万件に上る電話相談に対応しようと苦闘している。

 日本いのちの電話連盟の斉藤友紀雄(Yukio Saito)代表は、AFPに対し「ボランティアが不足している。景気後退で自殺が増加することを懸念している」と述べた。

 日本の自殺率は、バブル崩壊後の1990年代後半に急上昇した。日本は現在、世界的な金融危機の影響で輸出が減少したことを受け、再び景気後退に陥っている。

 斉藤氏は、同団体に今まで以上の政府支援を望んでいると語った。

 政府は前年、日本いのちの電話連盟に8000万円を助成した。これは、数年前と比べ20%の減少となっている。いくつかの相談センターでは、地方自治体の助成金なども受けているという。

 2006年には、日本人10万人あたり24人が自殺した。世界保健機関(World Health OrganisationWHO)によると、世界全体の平均は10万人あたり16人。(c)AFP