【12月28日 AFP】数年あるいは数十年にわたって脳の血流量が徐々に減少することがアルツハイマー病の主因の可能性があるとの研究が26日、発表された。

 アルツハイマー病については脳が損傷を受ける仕組みは良く理解されていたが、その原因はこれまで謎とされていた。今回の研究は、血液が脳に運ぶブドウ糖が少なくなると連鎖的に生化学的な反応が起こり、ニューロンを攻撃するタンパク質が蓄積してアルツハイマー病が発症することを示している。

 主執筆者のノースウエスタン大学(Northwestern University)のロバート・ヴァッサー(Robert Vassar)教授は「脳への血流の改善がアルツハイマー病の予防や治療に効果的な治療方法となる可能性がある」と述べた。

 同教授は脳の血流を改善するために若いうちから運動をしたり、コレステロールを取りすぎや高血圧に気をつけていれば、アルツハイマー病にかからずに済むかもしれないと語った。

 すでに動脈狭窄(きょうさく)の兆候が出ている患者に対しては、血流を増やす血管拡張薬の投与が脳の栄養になる酸素とグルコースを脳に届ける助けになり得るという。

 論文は米科学誌ニューロン(Neuron)12月26日号に掲載された。(c)AFP