【12月28日 AFP】(29日、一部更新)「文明の衝突(The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order)」の著者として知られる米政治学者、サミュエル・ハンチントン(Samuel Huntington)氏が24日、マサチューセッツ(Massachusetts)州マーサズビニヤード(Martha's Vineyard)の介護施設で死去していたことがわかった。81歳。同氏が教授を務めた米ハーバード大学(Harvard University)が27日、明らかにした。死因は公表されていない。

 ハンチントン氏は1927年4月18日、ニューヨーク(New York)で、編集者の父と短編小説家の母の間に生まれた。18歳で米イェール大学(Yale University)を卒業。23歳から2007年までの58年間、ハーバード大で教鞭をとった。

 一貫した民主党支持者で、ジミー・カーター(Jimmy Carter)元米大統領政権下で77-78年、国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)の安保政策調整官を務めた。

 ハンチントン氏は共著も含め、米および国際政治、軍事、民主化などの分野で17の著書があるが、なかでも96年に発表された「文明の衝突」は、冷戦後の世界ではイデオロギーの違いではなく文化や宗教対立による紛争が多発すると予見し、話題を呼んだ。同書は39言語に翻訳されている。(c)AFP