【12月26日 AFP】シエラレオネ東部コイドゥ(Koidu)の違法なダイヤモンド鉱山で、ガードマンたちが目を光らせるなか、子どもたちが自分の学費や家族の食費を稼ぐために働いている。

 子どもたちは毎日、数キロ離れた学校に通い、学校が終わると、焼け付く太陽のもとで採掘に励む。10歳足らずの子どもの姿もある。鉱山のセネガル人オーナーは、「俺たちはあの子たちに賃金を払い、子どもたちは生活のために働く。フェアな取り引きだろ?」と悪びれる様子もない。

 ある10歳の少女は、毎日放課後にダイヤの採掘と選別を行っている。歩合制で、4、5時間働いて稼ぎは3000レオネ(約90円)だという。

 政府は、こうした鉱山で働く未成年者を600人程度と見積もっているが、実際はその3倍にのぼるとの指摘もある。

 ソーシャルワーカーのマリアマ・セセイ(Mariama Sesay)さんによると、鉱山の多くの子どもたちは、学費を稼ぐために働いている。鉱山のオーナーがお金をちらつかせるため、働くのをやめさせることも容易ではない。「仕事を失うのがこわくて」鉱山で働いていることを話さない子どもも多いという。

 鉱山では、子どもたちがダイヤを隠したり飲み込んだりすることのないよう、ガードマンたちが見張っている。子どもが見つけたダイヤは、ガードマンたちがただちに回収するという。

 同国では児童労働は違法だが、法律は整備されておらず、取り締まる側の警察もわいろを受け取っているケースが多い。

■内戦で父親を失い…

 家計を助けるために働く子も少なくない。イスラム学校に通っているというモモドゥ(Momodu)君は、「父さんは内戦中に死に、母さんは貧しくて僕の学費を払うことができない。だから、お金を稼げるこの鉱山に来た」と話す。 

 1991-2001年の内戦では、12万人(推定)の死者のほか、数千人が手足を切断された。内戦激化の背景には、紛争当事者が武器を購入するために不正に売りさばいた、いわゆる「紛争ダイヤモンド(血のダイヤモンド)」の存在があった。

 同国は、ダイヤモンドの不正取引阻止を目的としたダイヤモンド原石の国際認証制度、いわゆる「キンバリー・プロセス(Kimberly Process)」の参加国だ。

「疲れがとれない。授業中はたいてい寝ている」とモモドゥ君。陥没や地滑りで生き埋めになった友人たちもいる。だが、オーナーは子どもたちに口止め料を支払い、そのような事故が表面化しないようにしているという。

 また、警察の摘発で補導される子どももたまにはいるが、オーナーが警察を買収して子どもを連れ戻すという。 
 
 シエラレオネ政府は国際機関などと協力して鉱山の児童労働撤廃を目指しているが、鉱山に舞い戻る子どもが多く、前途多難だという。(c)AFP/Rod Mac-Johnson