【12月15日 AFP】世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)は15日、東南アジア・メコン川流域の大メコン圏(Greater Mekong)で、過去10年間に1000種を超える新種の動植物が発見されたと発表した。

 WWFは「First Contact in the Greater Mekong(大メコン圏における最初の接触)」と題した報告書で「1997年から2007年の間に、少なくとも1068種の動植物が科学的に正式に新種として記載された」と記した。
 
「生物学的な宝庫」とWWFが呼ぶ大メコン圏で最近発見されたもののなかには、ディナー皿ほどの大きさのクモや、1100万年前に絶滅していたと思われていたネズミ、体内に青酸を有する鮮やかなピンク色のヤスデなどが含まれるという。

 ディナー皿大のクモはアシダカグモの1種で世界最大級。脚を広げた間の長さは30センチだという。また、致死性の青酸化合物を出すムカデについては「驚異的」な色の「ドラゴン・ミリピード(龍ムカデ)」だと表現した。

 これらの種はすべてメコン川(Mekong River)流域の熱帯雨林や湿地帯で発見されたが、ジャングルの奥地で見つかったものばかりではない。

 ラオスイワネズミはこれまで1100万年前に滅びたと考えられていたが、2005年に地元の食料品市場で研究者らによって発見された。また、あるマムシの1種は、2001年にタイのカオヤイ国立公園(Khao Yai National Park)の本部にあるレストランで屋根の垂木にいるところを発見された。

 同報告書に記載された新種は、植物519種、魚類279種、カエル88種、クモ88種、トカゲ46種、ヘビ22種、哺乳(ほにゅう)類15種、鳥類4種、カメ4種、サンショウウオ2種、ヒキガエル1種で、過去10年間、毎週平均2種の新種が見つかっていた計算になる。

 しかし報告では、これらの種は開発による危機にさらされていると警告しており、大メコン圏保護のための地域国際協定を呼び掛けている。メコン川はタイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、中国南部雲南(Yunnan)省を流れている。(c)AFP