【12月11日 AFP】過去22年で最高の高潮に見舞われた水の都イタリア・ベネチア(Venice)のホテル経営者たちは、「ゴム長靴の無料貸し出し」で、観光客を呼び戻そうと躍起になっている。

 ベネチアのホテル業界の公式ウェブサイトには、次のようなメッセージが掲載されている。「われわれとマッシモ・カッチャーリ(Massimo Cacciari)市長は、ベネチアを観光したいと考えているあなたに、これだけは保証します。危険は一切ないし、高潮はすぐに引くでしょう」

 さらに、ゴム長靴の無料貸し出しが付いた1泊190ユーロ(約2万3000円)のスペシャルプランが発表された。高潮時に設置される通路の位置を示した地図も配布されるという。

 ベネチアはこの2週間、高潮の状態が続いており、今月1日には過去22年で最悪の水深1.56メートルを記録した。11日と12日にも、やや水位は下がるものの水深1.3メートルが予想されている。

 1993年から2002年の間だけでも50回の高潮に見舞われているベネチアでは、アドリア海(Adriatic Sea)に続く水路に可動式水門をつくって街の水没を防ぐ「モーゼ計画(Moses Project)」が2003年から進められているが、完成は2012年の予定だ。

 また、それぞれの建物の土台にポールを差し込んで建物自体を最大で1メートル押し上げる計画も検討されている。(c)AFP