【12月1日 AFP】(一部更新)スイスで30日、国民投票が行われ、大麻を「非犯罪化」する提案は否決された。スイス通信(ATS)が伝えた。

 現地紙NZZアム・ゾンターク(NZZ am Sonntag)によると、この提案はスイス内外、特に隣国ドイツで驚きもって受け止められたが、否決されるものとみられていた。

 青少年育成活動組織「プロ・ユヴェントゥーテ(Pro Juventute)」は「現在の法制度は、若者に大麻使用を思いとどまらせることにまったく成功していない。90年代を通じて大麻汚染は広がり続け、最近になって多少減少が見られた程度だ」と指摘し、国民投票の結果に関係なく法律の改正が必要だとしている。

 このプロ・ユヴェントゥーテや、Federation of Swiss Youth Clubs(スイス青少年クラブ連盟)、さらに教職員組合などは国民投票で大麻の「非犯罪化」が否決されることを見込んで、若年の大麻使用者たちには新たなアプローチが必要だと主張している。例えば、18歳以下が使用した場合、刑事罰よりも罰金やドラッグ使用の予防治療、カウンセリングなどが必要だと訴えている。

 7月に発表されたSwiss Institute for the Prevention of Alcoholism and Drug Addiction(スイス・アルコールと薬物依存予防研究所、ISPA)の調査報告によると、欧州各国のなかでスイスは大麻使用人口が最も多い。

 一方、ハードドラッグといわれるアンフェタミンやスピード、コカインやマジックマッシュルーム、LSDなど中毒性の高い薬物の使用も、15歳前後で増加している。(c)AFP