【11月22日 AFP】魅力のない女性に鉱山の町への移住を呼び掛けたオーストラリアの町長が、その年の最も性差別的な発言に贈られるアーニー賞(Ernie Awards)の「栄冠」に輝いた。

 20日にニューサウスウェールズ(New South Wales)州議会で開かれた女性限定の同賞の授賞式で、クイーンズランド(Queensland)州北西部マウントアイザ(Mount Isa)のジョン・モロニー(John Moloney)町長は最も多くのブーイングとやじを受け、最高賞を受賞した。

 モロニー町長は地元紙に対し、男性比が多いこの町は「醜いアヒルの子たちが美しい白鳥へと成長する」ための場所だと語った。町長は、マウントアイザでは、魅力的でなくても人生を満喫しているように見える女性たちをしばしば目にするとし、「美しさに恵まれていない」女性はこの町に集まるよう呼び掛けた。

 マウントアイザに住む女性らの抗議を受けた町長は「女性たちは自分たちの外見をわたしのせいにしている」と発言。懲りない町長は21日、オーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)の番組で、自分の発言のお陰で世界中の女性の間でマウントアイザへの興味が急増していると語った。

■いすのにおいをかいだ政治家も受賞

 ほかに、政治部門では女性職員のいすのにおいをかいだり、別の職員のブラジャーのひもを引っ張ったりしたウエスタンオーストラリア(Western Australia)州のトロイ・バズウェル(Troy Buswell)財務相、メディア部門では「女性は健康や消費者問題を取材していればいい。本物のニュースは主砲である男性にやってほしいものだ」と語った民放ナイン・ネットワーク(Nine Network)のニュース責任者John Westacott氏が受賞した。

 アーニー賞は極端な性差別を糾弾するために設けられた賞で、今年で16回目。授賞式では、司会が候補者の名前を読み上げた際の、審査員のブーイングの大きさで受賞者が決まる。(c)AFP