【11月12日 AFP】フランスの高級レストランガイド「ミシュラン(Michelin)」初の東京版、『ミシュランガイド東京2008』の発売から1年。初版には150を超える都内の飲食店が掲載され、獲得した「星」の合計は191個に上った。これは、本家パリ(Paris)のレストランが獲得した星の合計数の倍以上だが、21日に発売予定の2009年版の星の数は、前回を上回るとの憶測が飛び交う。

「東京には16万件以上にのぼるレストランがある。世界でもまれにみる店舗数の多さで、その上、料理の品質も最高。ここはまさに世界の『食の首都』だ」と、ミシュランガイド総責任者のジャン・リュック・ナレ(Jean-Luc Naret)氏は語る。

 同氏によると、2009年東京版には一つ星、二つ星、三つ星を獲得したレストランが新たに加わっているという。その一方で、昨年版に掲載されながら、オーナーやコックの交代、閉店などの理由で、2009年版からは削除された飲食店もあるという。

『ミシュランガイド東京2008』が発売された当初、日本の飲食店オーナーや料理評論家などからは、フランス人が日本料理を評価することへの疑問や批判がわき起こった。この点についてナレ氏は、「われわれの選択が卓越していたことは、証明済みだ。ミシュランの仕事が深みに欠けていたなどと批判する人間は、今は一人もいない」と反論する。

 前年版で調査を行ったのはヨーロッパ人と日本人の混合調査員チームだったが、2009年版では日本人調査員の数を増やし、日本人6人とヨーロッパ人1人の編成にしたという。

 一方、日本の飲食業界では、数件の料理店がミシュラン掲載を拒否したとの噂が広まっている。この噂についてもナレ氏は、「掲載されていないレストランがあれば、それはわれわれの判断で、店側が拒否したためではない」と言い切る。

「一見さんお断りの方針を貫いているため、優秀な料理店でありながら掲載できなかった店もある」としながらも、「ミシュランは読者のためのものだ。シェフにメダルを与えて格付けすることが目的ではない」と、ガイドブックの意義を説明した。
 
「ミシュランガイド」は現在、3大陸で22か国版が発売されている。 (c)AFP