【11月5日 AFP】性描写を含むテレビ番組と10代の妊娠の関連性を初めて立証した研究結果が3日、発表された。

 研究では、12-17歳の男女2000人を対象に、2001-2004年の間3回の聴き取り調査を行った。その結果、性描写のあるテレビ番組を最もよく見る被験者は、最も見ない被験者と比べ、妊娠したり妊娠させたりする可能性が2倍であることが明らかとなった。

 米有力シンクタンク、ランド研究所(RAND)の行動学研究者で論文の主執筆者、Anita Chandra氏は、「若者はテレビ番組を通じてセックスに関する情報を大量に得ているが、そのような番組はセックスに伴うリスクや責任について明確に示していない」と指摘。「今回の研究結果は、米国での10代の妊娠率の高さに、テレビが大きく影響している可能性を示している」と述べた。

 研究チームは、性描写を含むテレビ番組は、避妊をしないでセックスしてもリスクはほとんどないとの考え方を形成していると主張している。

 3回目の聴き取り調査までに、被験者2000人のうち744人がセックスを経験したことがあると回答し、718人が妊娠に関与した経験があることを明らかにしている。また、被験者の少女58人と少年33人の計91人が、調査期間中に妊娠に関与していた。

 ランド研究所によると、米国は先進国の中で10代の妊娠率が最も高い国の1つで、毎年約100万人近くの少女が妊娠し、その大半が計画外だという。(c)AFP