【9月30日 AFP】マーケティング調査会社シノベイト(Synovate)が世界13か国の旅行客を対象に実施した調査によると、旅行客の大半が、飛行機内で会話することを「気にならない」とする一方で、機内での携帯電話の使用に対しては反対していることが、29日に同社がAFPに提供した調査結果で明らかになった。

 またこの調査では、旅行客の多くが、旅費の高騰への対策として、旅行計画を短縮するよりも安価な航空便を探し求める傾向があることが明らかになった。

 シノベイトによると、調査の対象となったのは、香港、マレーシア、フィリピン、台湾、タイのアジアの5か国・地域の旅行客と、ブラジル、英国、カナダ、エジプト、フランス、ドイツ、アラブ首長国連邦(UAE)、米国の旅行客。調査は、7月に電子メールと電話、面接などで実施され約1万3000人から回答を得た。そのうち、飛行機を利用したことのある人は6900人だった。

■77%が機内での通話に反対

「機内での携帯電話の使用を禁止すべきか」との質問に対しては、飛行機を利用したことのある人のうち77%が「禁止すべき」と回答した。シノベイトは、「多くの人が、密閉した空間で他人の会話を延々と聞かされることにうんざりしている」と説明した。

 携帯電話の機内利用を「禁止すべき」との回答は、台湾、タイ、香港で、旅行客の90%以上に上った。英国やフランス、ドイツの旅行客も「かなり高い割合」で禁止に賛成したという。

 機内での携帯電話の禁止に最も消極的だったのは、UAE出身者で47%が利用禁止に賛成だった。次いで少なかったのはエジプトで、禁止に賛成と回答したのは48%にとどまった。

■57%が乗り合わせた人との会話を楽しむ

 機内での携帯電話の利用に対しては反対の傾向が高かったものの、一方で、隣の座席に座った人との会話を「楽しんでいる」とする旅行客は、飛行機に乗ったことのある回答者の57%に上った。隣の席の人との会話を最も楽しんでいるのは、フィリピンとマレーシアの旅行客となった。一方、最も楽しんでいないのは、台湾や香港の旅行客だった。

 ほかにも、この調査では、旅行客の39%が、旅行計画を中止するくらいであれば、安売りのチケットを探すと回答した。安価なチケットを探すことに最も積極的だったのはブラジルの旅行客で、英国、カナダと続いた。

 原油価格の高騰で旅行費用が上がったため、旅行を延期したと回答したのは、全回答者のうち10%にとどまった。今年の旅行回数が減るだろうと回答したのは、台湾が最も多く27%で、25%の香港が続いた。

 飛行機を利用したことのある旅行客のうち56%が、飛行機を利用する理由について、「目的地に早く到着できること」を挙げた。飛行機を利用することの最大の利点として「機内食」を挙げたのは、フィリピンの旅行客が最も多く12%だった。

 また、「誰にも邪魔されずに、たまった仕事を片付けることができる」ことを飛行機の最大の利点として挙げた旅行客が最も多かったのは、香港で11%だった。(c)AFP