【9月30日 AFP】ラブラドールレトリバーが激しい運動をしたあとに後ろ足が立たなくなることがあるが、この原因を特定したとする米ミネソタ大学(University of Minnesota)の論文が米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)に発表された。

 原因は、ラブラドールレトリバーの9番目の染色体、ダイナミン1(DNM1)の変異にあるという。DNM1は、神経系に含まれる重要な化学物質を制御するものだ。

 後ろ足が立たなくなるという症例は、1990年代に、トレーニング中のラブラドールレトリバーのグループで初めて獣医により確認された。5-15分程度の激しい運動のあと、一部のイヌは足がふらついて体温が上がり、後ろ足がコントロールできなくなった。そのうちの大半は30分休むと回復したが、数匹は死亡した。

 同大は、こうした症状を持つ60匹を含む96匹のラブラドールレトリバーの遺伝子を調べた。すると、最大30%でDNM1の変異が見られたが、症状が現れるのは、この変異体が二重に複製されているグループに集中していることがわかった。

 チームは、こうした症状を持つラブラドールレトリバーは全体の3-5%にのぼると推定している。

 研究を率いたジェームズ・ミケルソン(James Mickelson)教授(獣医学)は、「この遺伝子が自然の状態で変異したことが、ほ乳類で初めて確認された」と話している。(c)AFP