【8月15日 AFP】「スタンピー(Stumpy)」と名付けられた尾のないザトウクジラが、オーストラリア沿岸沖に6年ぶりに現れた。

 同国のAAP通信社によると、スタンピーはクイーンズランド(Queensland)州東部サンシャインコースト(Sunshine Coast)沖を回遊しているところを発見された。発見したのは、テレビ番組「クロコダイル・ハンター(Crocodile Hunter)」で有名な環境保護活動家、故スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)さんにちなんだオーストラリア動物園(Australia Zoo)の「スティーブズ・ホエール・ワン(Steve's Whale One)」号でホエールウオッチングをしていた人々だった。

 アラン・ショート(Allan Short)船長は、スタンピーが1歳だった2001年、今回発見された場所に近いハービーベイ(Hervey Bay)で最後にスタンピーを見たと語った。南極海に生息するザトウクジラは、繁殖期にハービーベイ周辺に移動してくる。

 スタンピーには脇腹にひっかき傷があるが、シャチに攻撃されて負傷し、その際に尾を失ったとみられている。ショート船長は初めてスタンピーを見たとき、尾がなければ長くは生きられないだろうと考えたという。「尾のないクジラが2万キロの旅をするとは、驚くべき出来事だ」。

 繁殖に向け熱帯の温暖な海域に戻ってきたスタンピーは、仲間とじゃれ合うなど元気な様子だという。(c)AFP