【8月10日 AFP】インド人女性に代理出産を依頼した日本人夫婦の赤ちゃんが、法的な障壁により日本に帰国できなくなっている問題で、インドの病院が出生証明書を発行したことで赤ちゃんの帰国の可能性が見えてきた。病院の医師が9日、AFPに話した。

 出生証明書の父親欄には、女児の父親である日本人男性の名が記載された。

 女児は生後約2週間で、日本人夫婦の夫(45)の精子とインド人女性の卵子を体外受精し、その受精卵をインド人代理母の子宮に着床させて生まれた。

 Sanjay Arya医師は9日、AFPの電話取材に対し、「出生証明書には父親の名前が記載された。母親の名前は空白になっている」と女児が入院している病院から話した。

「インド政府はその証明書に基づいて、女児に出国に必要な書類を与えることができる。後は、日本大使館が査証を発行するかどうかにかかっている」(Sanjay Arya医師)

 代理出産を依頼した日本人夫婦が子どもの出産前に離婚したため、女児が日本に帰国できなくなるという問題が起きていた。

 前月に赤ちゃんが生まれたときには、元妻の女性は赤ちゃんをすでに望んでおらず、一方父親には子どもとの関係を証明できるものがなかった。

 さらに、父親がこの赤ちゃんを養子にすることもできなかった。この問題に取り組んでいる弁護士によると、インドの法律は妻のいない男性が女児を養子とすることを禁じているという。

 しかし、病院の医師によると、出世証明書が発行されたことで障壁は乗り越えられる見込みとなった。また、父親は近くインドへ向かう予定だという。現在は、祖母が赤ちゃんに付き添っている。(c)AFP