【8月10日 AFP】パレスチナを代表する詩人、マフムード・ダルウィーシュ(Mahmud Darwish)氏が9日、入院していた米テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)の病院で死去した。67歳。心臓切開手術の後、合併症を起こした。病院関係者が明らかにした。

 1941年、現在のイスラエル北部にある村で誕生したダルウィーシュ氏は、亡命パレスチナ人としての経験や中東紛争などを題材に詩や散文集20冊以上を出版した。

 アラブ世界で最も偉大な詩人の一人として広く認められていたダルウィーシュ氏は、イスラエルに対しては批判的な態度を崩さなかった。1960年代には数回拘束され、1970年からはモスクワ(Moscow)やパリ(Paris)などで亡命生活を送った。

 1988年にはパレスチナ国家樹立宣言を作成し、パレスチナ解放機構(PLO)幹部として活動したが、1993年のオスロ合意に反発してPLOを去った。ダルウィッシュ氏は50年近くにおよんだ執筆活動のなかで、数々の文学賞を獲得した。(c)AFP