スクーターで米大陸横断、70歳代男性コンビ
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【7月27日 AFP】ガソリン価格は高騰し、若者文化全盛のこのご時世、2気筒のバイクを愛好する70歳代のアメリカ人男性2人が、無鉄砲ともいえる米大陸横断に成功した。
カリフォルニア(California)州のボブ・チェース(Bob Chase)さん(72)とニューヨーク(New York)州のバディー・ローゼンバウム(Buddy Rosenbaum)さん(71)の2人は、それぞれ所有していた排気量1000ccの大型バイクをイタリア製スクーターと交換し、カリフォルニアからニューヨークまで5500キロの旅に出た。
■「情熱の追求に年齢は関係ない」
7月14日、ニューヨーク市のタイムズスクエアに2人が到着するまでにかかった旅費は、ガソリン代300ドル(約3万2000円)だけだった。しかし、経済的な旅が依然、可能だということを証明することだけが、2人が小型バイクに乗り換えた目的ではなかった。年齢も理由だったのだ。
「ボブと私はいつもバイク・アドベンチャーに燃えてきた。バイクが少々重くなってきたけれど、あきらめたくはなかった」とローゼンバウムさんは言う。
2人のルート選びでも、年齢は考慮すべき要因となった。2人はアメリカ最古の大陸横断道路、リンカーン・ハイウエー(Lincoln Highway)を選んだ。
おまけに2人はタイムズスクエアへは普通のスクーターではなく、ピアジオ(Piaggios)の3輪スクーターで登場し、ローゼンバウムさんいわく「情熱の追求に年齢は障害とならない」ことを証明した旅の最高潮となった。「年を取っても、情熱を持ち続けることはできる。あきらめる必要はない。情熱を表現する創造的な方法を探さなくちゃいけないだけだ」(ローゼンバウムさん)
■ツーリング先で出会って以来、世界各地をともに
神経質なニューヨーカーのローゼンバウムさんと、くつろいだカリフォルニアンのチェースさんが最初に出会ったのは、南米チリの首都サンティアゴ(Santiago)からティエラデルフエゴ(Tierra del Fuego)をそれぞれ旅している時だった。2人ともBMWの大型バイクに乗っていた。
以来一緒に世界をバイクで周り、ヒマラヤ(Himalayas)山脈やアルプス(Alps)山脈越えをともにした2人は今回、リンカーン・ハイウエーを並んで疾走した。
チェースさんはこの一条のハイウェイは、永遠の若さを求めるアメリカ人にとっての至宝だという。「このハイウエーは5500キロの博物館だが、今や失われつつある。保存されるべきなのに、多くの人がそれをよく分かっていないし、(リンカーン・ハイウエーを)生かすことに関心がない」と嘆く。
ローゼンバウムさんは、新しい旅に出る度に、出発の前にジャック・ケルアック(Jack Kerouac)の『路上(On The Road)』を読み返すという。「この本を読むと求めていたスピリットが得られるんだ」
■「歳をとることを投げ出すべきではない」
大陸横断中、2人は誕生100年の古い橋を渡り、建築70年の建物を目にしながら、見過ごされがちな年齢を重ねた命を祝福したという。「オハイオ(Ohio)州とウェストバージニア(West Virginia)州を結ぶニューウェル・ブリッジ(Newell Bridge)は、105歳だけど、まだあそこにある。1933年のアールデコ様式の駅もあった。最初の持ち主の息子がまだ管理して、使われていた。今も生きている建築や物を見るたびに僕たちは喜んだ」(ローゼンバウムさん)
米大陸横断の旅から学んだ教訓があるとすれば、それは1ガロン4ドルの時代にもまだ燃費のよい旅が可能だということだけではない。それよりも大事なのは、アメリカ人は歳をとることを早々に投げ出すべきではない、とう点かもしれない。
「アメリカは古い物をさっさと捨て、すぐに新しいものと置き換える」とローゼンバウムさん。「われわれは古いものを保存すべきだ。古いものへの思いやりからだけではない。古いものには気品があるからだ」 (c)AFP/Luis Torres de la Llosa
カリフォルニア(California)州のボブ・チェース(Bob Chase)さん(72)とニューヨーク(New York)州のバディー・ローゼンバウム(Buddy Rosenbaum)さん(71)の2人は、それぞれ所有していた排気量1000ccの大型バイクをイタリア製スクーターと交換し、カリフォルニアからニューヨークまで5500キロの旅に出た。
■「情熱の追求に年齢は関係ない」
7月14日、ニューヨーク市のタイムズスクエアに2人が到着するまでにかかった旅費は、ガソリン代300ドル(約3万2000円)だけだった。しかし、経済的な旅が依然、可能だということを証明することだけが、2人が小型バイクに乗り換えた目的ではなかった。年齢も理由だったのだ。
「ボブと私はいつもバイク・アドベンチャーに燃えてきた。バイクが少々重くなってきたけれど、あきらめたくはなかった」とローゼンバウムさんは言う。
2人のルート選びでも、年齢は考慮すべき要因となった。2人はアメリカ最古の大陸横断道路、リンカーン・ハイウエー(Lincoln Highway)を選んだ。
おまけに2人はタイムズスクエアへは普通のスクーターではなく、ピアジオ(Piaggios)の3輪スクーターで登場し、ローゼンバウムさんいわく「情熱の追求に年齢は障害とならない」ことを証明した旅の最高潮となった。「年を取っても、情熱を持ち続けることはできる。あきらめる必要はない。情熱を表現する創造的な方法を探さなくちゃいけないだけだ」(ローゼンバウムさん)
■ツーリング先で出会って以来、世界各地をともに
神経質なニューヨーカーのローゼンバウムさんと、くつろいだカリフォルニアンのチェースさんが最初に出会ったのは、南米チリの首都サンティアゴ(Santiago)からティエラデルフエゴ(Tierra del Fuego)をそれぞれ旅している時だった。2人ともBMWの大型バイクに乗っていた。
以来一緒に世界をバイクで周り、ヒマラヤ(Himalayas)山脈やアルプス(Alps)山脈越えをともにした2人は今回、リンカーン・ハイウエーを並んで疾走した。
チェースさんはこの一条のハイウェイは、永遠の若さを求めるアメリカ人にとっての至宝だという。「このハイウエーは5500キロの博物館だが、今や失われつつある。保存されるべきなのに、多くの人がそれをよく分かっていないし、(リンカーン・ハイウエーを)生かすことに関心がない」と嘆く。
ローゼンバウムさんは、新しい旅に出る度に、出発の前にジャック・ケルアック(Jack Kerouac)の『路上(On The Road)』を読み返すという。「この本を読むと求めていたスピリットが得られるんだ」
■「歳をとることを投げ出すべきではない」
大陸横断中、2人は誕生100年の古い橋を渡り、建築70年の建物を目にしながら、見過ごされがちな年齢を重ねた命を祝福したという。「オハイオ(Ohio)州とウェストバージニア(West Virginia)州を結ぶニューウェル・ブリッジ(Newell Bridge)は、105歳だけど、まだあそこにある。1933年のアールデコ様式の駅もあった。最初の持ち主の息子がまだ管理して、使われていた。今も生きている建築や物を見るたびに僕たちは喜んだ」(ローゼンバウムさん)
米大陸横断の旅から学んだ教訓があるとすれば、それは1ガロン4ドルの時代にもまだ燃費のよい旅が可能だということだけではない。それよりも大事なのは、アメリカ人は歳をとることを早々に投げ出すべきではない、とう点かもしれない。
「アメリカは古い物をさっさと捨て、すぐに新しいものと置き換える」とローゼンバウムさん。「われわれは古いものを保存すべきだ。古いものへの思いやりからだけではない。古いものには気品があるからだ」 (c)AFP/Luis Torres de la Llosa