【7月10日 AFP】オランダのアムステルダム(Amsterdam)の動物園Artisは9日、母親に見捨てられたレッサーパンダの赤ちゃんが、家で飼われているネコに育てられていると発表した。母ネコは自分の子どもと一緒に赤ちゃんパンダに乳をやっているという。

 動物園によると、この赤ちゃんパンダは現在の状況で元気に過ごしているという。成長するには十分な栄養をとる必要があり、赤ちゃんパンダは少なくとも今後数週間は母ネコから乳をもらう必要がある。動物園では今後数週間様子を見ることにしている。

 この赤ちゃんパンダの母親は同時に2匹の子を生んだが、その翌日には2匹とも放置されているのが見つかった。2匹の赤ちゃんパンダは低体温症を発症していた。

 動物園の発表によると、飼育係の1人が飼っているネコが同時期に出産したので、母ネコが赤ちゃんパンダにも乳をやるか試してみることにした。しかし、1匹はネコのところに連れてこられた時点ですでに弱っており、死んでしまった。野生動物が人間に飼われている動物に育てられるケースは珍しくないという。
 
 レッサーパンダは主にヒマラヤ東部に生息する絶滅危ぐ種で、イエネコよりわずかに大きい。世界各地の動物園で繁殖が行われている。(c)AFP