【7月3日 AFP】オーストラリアのシドニー(Sydney)は今月末、カトリックの「世界青年の日(Catholic World Youth Day)」祝典のためローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)を迎える。この期間、シドニー市街は聖歌に包まれるであろう一方、葬送の曲として宗教とは関係のない曲を選ぶオーストラリア人が増えているという。シドニーで葬儀・墓地を運営するセンテニアル・パーク (Centennial Park)が人気の高い曲を発表した。

 友人・親族の葬儀に最も「人気のあるロック・ソング」は、AC/DCの「地獄のハイウェイ(Highway to Hell)」と、クイーン(Queen)の「地獄へ道連れ(Another One Bites the Dust)」。

 そのほかの一風変わった選曲では、英コメディ映画『モンティ・パイソン(Monty Python)』の挿入歌「Always Look on the Bright Side of Life(いつも人生の明るい面を見て)」、映画『オズの魔法使い(The Wizard of Oz)』の「ディン・ドン! 魔女は死んだ(Ding Dong the Witch is Dead)」、R&Bの名曲「旅立てジャック(ヒット・ザ・ロード・ジャック、Hit the Road Jack)」などが人気が高いという。

「もっと普通でない曲が使われているのも聞いたことがあるが、どれも故人の性格をよく表した曲で、葬儀の中では非常にうまくいっている」と、センテニアル・パーク のライアン・エリオット(Bryan Elliott)代表は語る。同パークで行われる葬儀で近年、最も大きく見られた変化は、故人の人生への「祝福」が強調されるようになった点だという。「その結果、故人の性格を考慮して企画された式典になっている」という。

 一方、葬送の曲としてポップス全体で最上位に挙がるのは、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)の「マイ・ウェイ(My Way)」、ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)の「この素晴らしき世界(Wonderful World)」だ。

 今月末、5日間の日程で開催される「世界青年の日」の祝典は、ベネディクト16世が列席する礼拝によって20日に幕を閉じる。しかし、オーストラリア人口2100万人のうちカトリック信者を自称するのは約26%。一方「宗教を信じない」とする人は全体の19%に上る。(c)AFP