【7月1日 AFP】2001年9月11日の米国同時多発テロにより破壊された世界貿易センタービル(World Trade Center)跡地グラウンド・ゼロ(Ground Zero)の再開発プロジェクトの完工が、予定より1年遅れることがわかった。ニューヨーク(New York)市当局関係者が1日、明らかにした。

 ランドマークとなるフリーダムタワー(Liberty Tower、自由の塔)をはじめとする近代的高層ビル群と、複数の地下鉄を結ぶトランジットセンター、美術館の建設を含む再開発プロジェクトについて、予定地を所有するニューヨーク・ニュージャージー港湾局(Port Authority of New York and New JerseyPANYNJ)のクリス・ウォード(Chris Ward)氏は、「スケジュールの大幅な遅れと費用の超過」が発生していると語った。

 またウォード氏は新たな完工予定日について、主だった問題点が未解決のまま完工予定日を設定するのは「非現実」だとして、現時点では決まっていないことも明らかにした。

 同プロジェクトには9つの州機関、建設会社および請負会社101社、デザイナー・建築家22人がかかわり、紆余曲折を経て2006年4月にようやく着工。当初は予算150億ドル(約1兆5800億円)を投じ、テロ発生から10年目の節目となる2011年に完工予定とされていた。
 
 フリーダムタワーは高さ541メートル、24万1548平方メートルのオフィススペースを誇る高層ビル。ほかにも3つの高層複合ビルが建設され、その合計面積は57万5999平方メートルとなる。

 一部の不動産専門家の間では、テロの生々しい記憶が残る場所にできた新しいビルで働きたがる人は少ないはずで、広大なオフィススペースも多くの空きが出るのではないかと言われている。(c)AFP/Luis Torres de la LLosa