【6月29日 AFP】イタリア警察当局は、定住所を持たず移動住居に住むなどするロマ人とその子どもたちに指紋採取を行い、子どもを学校に行かせず物乞いをさせるロマ人に対しては親権を剥奪する方針を打ち出した。26日、イタリアの各種報道機関が伝えた。

 ロベルト・マローニ(Roberto Maroni)内相は25日に出席した議会委員会の席で、一連の措置が「ロマ人の権利の保障を強めるもの」だと述べた。

 これにより、「国内に居住する権利を持つロマ人に、適正な条件での居住を保障し、権利を持たないロマ人を国外退去させる」という。

 これに対して、野党・民主党の有力議員、Rosy Bindi氏は、「まるで犯罪者であるかのように未成年者の指紋を採取することで、政府はイタリア国民の結束の基盤をあえて疑問視しようとしている」と痛烈に批判した。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)のVincenzo Spadaforaイタリア支部長は、新政策に驚き憂慮していると述べた。

 Spadafor氏は、「子どもたちの権利を平等に尊重するのであれば、イタリアの子ども全員の指紋をとるようマローニ内相に提案したい」と語り、「ロマ人の子どもは他の子どもたちと何一つ違わない。子どもは大人同様に扱われるべきではないし、扱われてはならない」と批判した。(c)AFP