【6月19日 AFP】警察庁は19日、2007年に全国で自殺した人の数は前年比2.9%増の3万3093人だったと発表した。統計を取り始めた1978年以降2番目に多く、10年連続で3万人を越えた。特に高齢者の自殺が増加しているという。
 
 日本は世界でも有数の自殺大国で、その背景に日本特有の「社会的重圧」「自殺を罪悪視する宗教観の欠如」や1990年代のバブル経済終焉に伴う社会的なセーフティーネットの崩壊などが挙げられている。

 自殺の原因として最も多かったのはうつ病で、以下、病気や借金などが続く。こうした事態をうけ政府は2006年、地方自治体や企業に職場での精神衛生の改善などを求め、2016年までに自殺を20%削減することを目指す取り組みを開始している。

 また、今年3月以降、インターネット上で広まった硫化水素を発生させる方法による自殺が約200件発生していることから、警察庁はインターネット接続業者に対し、こうした情報の削除を要請し、薬局などにも自殺目的での薬剤購入を警戒するよう呼び掛けるなどの対策をとっている。(c)AFP