【6月8日 AFP】ケニア西部の町エルドレット(Eldoret)で5日、88歳の世界で最高齢の「小学生」が健康上の理由から年金受給者施設に収容され、通っていた小学校を休学した。6日、学校および医療関係者が明らかにした。

 キマニ・ヌガンガ・マルゲ(Kimani Nganga Maruge)さんは84歳で小学校に入学した。この記録は最高齢の小学校入学者としてギネス世界記録(Guinness World Records)にも認定された。

 1950年代には戦士として対英独立運動に参加したヌガンガさんだったが、前年12月27日に行われた大統領選が引き金となった混乱は、容赦なくヌガンガさんをも巻き込んだ。今年初めにはとうとう住み慣れた家を去り避難所での生活を余儀なくされ、学業の継続は困難となった。

 小学校のジェーン・オビンチュ(Jane Obinchu)校長はAFPの取材に、ヌガンガさんは入学から5年生になるまで休んだことは1度もない模範生だったが、5日は朝7時30分なっても登校しなかったと述べた。

 ヌガンガさんが施設へ移転されたと知り、学校関係者は突然のことに失望し、決定はあまりに性急だったと落胆している。

 オビンチュ校長は、「ヌガンガさんは今や国際的人物。学業が妨げられたことを受け入れられないことだろう」とヌガンガさんが休学しなければならなかった経緯を嘆く。

 現地PTAの会長も、「教育省は何らかの手だてを講じるべき。教師が知らぬ間に生徒が姿を消すのは誘拐も同然」と話している。

 会長によると、ヌガンガさんの小学校入学をきっかけに、近隣住民の多くが積極的に子どもを学校に送り出すようになったという。

 現地赤十字社(Red Cross)の職員は、大統領選挙後の混乱でヌガンガさんの健康状態が悪化したことを明らかにし、「ヌガンガさんの学校の関係者には事情を説明した」とAFPに語った。

 先生や11歳の同級生の言うことは聞き入れずに喫煙を楽しんでいたというヌガンガさんは過去に、獣医師免許を取得するまで勉強を続けると話していたという。(c)AFP