【5月27日 AFP】反イスラム的な服装への取り締まりが強まっているイランで、同国の関税当局の責任者Asghar Hamidi氏は、「イラン文化に反する」として、ネクタイの輸入禁止を求めた。ファルス通信(Fars News Agency)が22日、伝えた。

 Hamidi氏は「イラン文化の本質と相反するネクタイに関しては、輸入法規を改正し、断固として輸入禁止にするべき」と語った。同氏は、イラン政府の「文化・純潔・ベール推進」計画の責任者も務めている。

 イランでは米国の支援を受けていたシャーの時代には、ネクタイ着用が推奨されていた。だが、1979年のイラン革命以来、ネクタイは西洋化の象徴として政府によって禁止されている。革命直後には、バシジ(Basij)と呼ばれる民兵組織が街頭に出て、ネクタイをはさみで切り落とすといったこともあった。
 
 イランでは前年から、反イスラム的な服装、特に頭髪や体の線を完全に隠すような服装をしていない女性や、「西洋的な」髪型に対する取り締まりが強化されている。

 ここ最近では、多くの女性が足首の露出やスカーフの下でのファッショナブルな髪型、体の線を強調したコートを着用するなどイスラム的にきわどい服装をするようになっており、男性のネクタイの着用も、特に医師やビジネスマンなどの間で徐々に普及してきている。(c)AFP