【5月20日 AFP】米国人の4分の3近くが運転中に、携帯電話で会話するなど運転以外の行為に気をとられている。20日に発表された米保険グループ、ネーションワイド・ミューチュアル・インシュランス(Nationwide Mutual Insurance)のアンケート調査で明らかになった。

■「連絡を取らないと」というプレッシャーが理由

 アンケートでは携帯電話を持つ人の80%以上が、運転中に携帯電話で話すと答えた。その主な理由は「連絡を取らないと、というプレッシャーを感じるから」という回答だったという。また携帯電話所有者のうち16歳から30歳の年齢層では、40%が運転中にメールのやりとりもすると答えた。

 一方、携帯電話を使っていたほかのドライバーに追突されたり、また自分が携帯を使っていて追突しそうになったことがあると答えたドライバーの割合も40%に上った。

「最近の『ルール』では、電話やメールにすぐに答えないことが、社会的にも仕事上でも受け入れられなくなっており、そこから『注意散漫運転』が当たり前のことになっている」と、4月に調査を行ったネーションワイドのビル・ウィンザー(Bill Windsor)氏は警告する。

米道路交通安全局(NHTSA)によると、全米では1日に115人が交通事故で死亡しており、また交通事故の原因の8割は注意散漫な運転によるものだという。

■運転中に最も携帯を使用しないのはティーンエージャー

 前述のアンケートでは回答者の約半数が、携帯電話などのテクノロジー機器が運転中の注意をそらすものとして最も危険だと考えている。

 米国の運転免許取得可能年齢は16歳だが、10代のドライバーで運転中に携帯電話を使用すると答えたのは60%。しかし、これは他の年齢層と比較して最も低く、41-61歳の層では65%、18-30歳の層では78%、31-44歳の層では80%だった。

 また、通話する際やメールを送る際には車を路肩に寄せると答えたのも、10代が最も多かった。

「10代の事故が比較的少ない理由としては、10代に運転中の携帯使用を禁じている法律の効果や、保護者の監視が行き届いていること、まだ運転そのものに慣れていないために、規則をより守る傾向があることなどが考えうる」と調査はまとめている。

 米調査会社ハリスインタラクティブ(Harris Interactive)が前年行った調査では、92%の米国人が、運転中の通話は酒気帯び運転と同じくらい悪いことだと考えているという結果が出た。(c)AFP