【5月12日 AFP】気象予報士という職業が称賛を受けることは少ないかもしれないが、8月の北京五輪では彼らも栄誉を賭けた戦いを展開する。

 五輪開催に合わせ、日、米、中、香港、カナダ、豪、仏、オーストリアの8か国・地域の気象機関が北京に集結。北京を中心とした地域の天候を予測し、その精度を競う大会が開催されるのだ。

 日本チームのメンバー、気象庁気象研究所の斉藤和雄(Kazuo Saito)予報研究部室長の説明によると、五輪開催期間中の毎日、北京と近郊地域について36時間先までの気温、湿度、降水確率などを予想し、中国気象局(China Meteorological Administration)に提出する。

 天気予報大会には、競技としての娯楽的側面に加え、他国の気象予報システムの実態を把握することで、自国のシステム向上に役立てるという役割もあるという。

 日本チームは、筑波にある同研究所のスーパーコンピューターから参加する。2005年と06年の予選には参加しているが、本大会への参加は初めてだ。

 斉藤室長は、精巧な予報技術を用いた日本チームは予選ではまずますの成績を収めたものの、対抗意識を燃やすライバル各国も予報技術の向上に力を入れており、北京での結果については余談を許さない状況だと語る。

 ちなみに気象庁は前年夏の北京の天気について35度を超える猛暑やにわか雨などの予測を誤ったということだ。(c)AFP