【5月6日 AFP】2007年末の大統領選後の混乱で、多くの国内避難民が発生したケニア。政府の再定住プログラムが5日発表され、同日には数千人規模のケニア人が故郷に帰還した。

 政府はこの日、避難民8000人の帰還を目指す第1次再定住計画「オペレーション・リターン・ホーム(Operation Return Home)」を発表した。「すべての国内避難民の再定住、そして民族や出身地の区別なく財産や土地を所有し、居住し、労働する権利を、政府は約束する」と、声明はうたっている。

 リフトバレー(Rift Valley)州の難民キャンプからは、数百人が警察と軍に護衛されて故郷に向かったが、いまだにくすぶり続ける民族抗争を恐れて帰還を拒む者も多くみられた。

 ケニアでは前年末の大統領選の結果をめぐり、民族間対立にまで発展。これまでに少なくとも1500人が死亡、30万人の避難民が発生した。2月28日には与野党指導者が連立政権樹立に合意したものの、民族間の暴力行為が止むことはなく、避難民の帰還はほとんど実現されていない。

■国外難民も帰還を拒否

 一方、隣国ウガンダの国境付近にいるケニア難民らも、故郷に戻ることを拒否している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、そうした難民1800人をウガンダ中部のマシンディ(Masindi)地区にあるキリャンドンゴ(Kiryandongo)キャンプに移送する作業を開始した。ここのキャンプでは、住居および農地用として一家族あたり5000平方メートルの区画が割り当てられるという。


 ある難民は「みんな、キリャンドンゴに来られてとっても喜んでるよ。子どもたちは学校に通えるし、生活を一からやり直せるんだから」と語っている。(c)AFP