【5月4日 AFP】カナダ南東部の同国最小の州、プリンスエドワードアイランド(Prince Edward Island)州で3日、35年にわたって禁止されてきた缶入り飲料の販売が再開された。プリンスエドワード島ではこの日、缶ビールや缶ジュースを求めて店に殺到する住民の姿があちこちで見られた。

 同州では35年前に缶ビールの販売が禁止され、その11年後には缶入りの発泡性の清涼飲料水の販売も禁止された。プラスチック製のボトルも認められず、これまでガラス瓶に詰められた飲料だけが販売を許可されていた。

 缶入り飲料の販売禁止は、現地の瓶詰め工場の雇用維持に加え、環境への配慮から缶よりもリサイクル効率が良いガラス瓶の利用を促進するために行われていた。

 だが、プリンスエドワード島でも変化を求める動きは広がった。前年の選挙ではこの問題が争点の1つになって自由党(Liberal Party)州政府が誕生した。

 州都シャーロットタウン(Charlottetown)では、缶入り飲料の販売再開を祝って地元のラジオ局が主催した盛大なストリート・パーティーに大勢の人が詰め掛け、ジョージ・ウェブスター(George Webster)州環境相が最初の缶を開ける栄誉を得た。

 一方、同州の緑の党(Green Party)のシャロン・ラブチャック(Sharon Labchuk)代表は州環境相のパフォーマンスに「恥を知るべき」と苦言を呈し缶入り飲料販売再開を批判した。ラブチャック氏は「プリンスエドワード島の環境にとって悲しい日であるとともに、採掘で住民や環境が悪影響を受けているアルミの原料であるボーキサイトの産出国にとっても悲しい日だ」と語った。(c)AFP