【4月29日 AFP】貧者の救済者として知られる13世紀の聖フランチェスコの生地であるイタリアのアッシジ(Assisi)で、物乞い禁止令が発令された。27日のレプブリカ(La Repubblica)紙が伝えた。

 同紙によると、クラウディオ・リッチ(Claudio Ricci)市長は、教会、聖堂や修道施設、広場や公共の建物の半径500メートル以内での物乞いを禁止すると宣言した。寝そべったり座ったりする行為も御法度だという。市長は、禁止令の目的を「来訪者を歓迎する意図は損なわずに、アッシジの聖なる都としての特質を守るため」としている。

 だが、反対者は多い。バチカン(ローマ法王庁)正義と平和評議会委員長のレナート・マルティーノ(Renato Martino)枢機卿は「聖フランシスコは貧者の聖人で、彼の教えは今の時代にも通用する。しかも物乞いは犯罪ではない。なぜ法律で禁止されなければならないのか。それに、困っている人に救いの手をさしのべるのは良いことだ」と語った。(c)AFP