【4月26日 AFP】インド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州の病院で処置を拒否され、屋外で出産した女性が24日死亡した。この女性はインドの身分制度で「不可触民」に位置付けられる階層の出身だった。

 マヤ・デビ(Maya Devi)さん(28)は23日、 Kanpur Medical College(カーンプル・メディカル・カレッジ)産婦人科病棟の外で男の子を出産したが、医療的処置を受けられなかったため、男の子は数分後に死亡した。デビさんは出産後、集中治療室に運ばれたが、24日早朝、心不全で死亡した。

 通信社PTI(Press Trust of India)は、病院の医療管理責任者を含む医師数人が、デビさんの出産に際し、触ったり処置を施したりするのを拒否したと報じている。

「不可触民」は「ダリット(Dalit)」とも呼ばれ、法律では差別が禁じられているにもかかわらず、上位身分出身者の多くはダリットとの接触を恐れている。

 婦人科のKiran Pandey医長はAFPに対し、当時車で1時間の距離にある州都ラクノー(Lucknow)にいたところ連絡を受けて駆けつけたとし、「最良の薬と治療を与えたが、心不全で死亡した」と述べた。

 カレッジのAnand Swaroop学長と地元当局は調査を命じた一方、Mayawati州首相は関係した医師らを停職処分にし、捜査を行うよう命じた。(c)AFP