【4月24日 AFP】ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)で9日間にわたり開催された中南米最大とされるアダルト見本市「第12回エロティカ・フェア(Erotika Fair)」の主催者は20日、イベントは約2万人の国民を引きつける大成功を収めたと述べた。

 アダルトグッズやコスプレ衣装を販売するブースや刺激的なストリップショーを出展する男性によると、1996年に始まったこのイベントは、女性からの関心の高まりにより、毎年規模を拡大しているという。

「10年前にはアダルトショップの女性客の割合はわずか5%だったが、今では70-80%にまで高まっている。ドラマで多くのセックスシーンが描かれるなどメディアの影響で、女性はセックスに対してよりオープンになっている」とイベント・宣伝責任者Evaido Shiroma氏は語る。さらに、エロティックが感覚を満たすものであるのに対し、ポルノは極度に視覚に訴えるものだと強調する。

 セックスをよりよくするために作られた香り付きジェル(10レアル、約620円)の人気は、この主張を裏付ける。

 イベントではこのジェルのほか、さまざまな看護師の衣装やヒョウ柄のジーストリングなどが販売されているが、ブラジル国内で作られたものはほとんどない。バイブレーター、毛皮のついた手錠、アダルトゲーム、プラスチック製の性器のおもちゃなどの大半は中国や米国から輸入されている。

 あるブースの女性販売員は「中国製品は明らかに質が劣るが、安いからよく売れる」と語る。

 イベントを訪れる客の大半は若いカップルで、性生活を楽しく飾りつけることをいとも気楽に行っているようだ。

「普通のこと。ここには何のタブーもない。スーパーマーケットに行くようなもの」と18歳のガールフレンドと会場を訪れた30歳の販売員は語る。「空想を満たすために来たんだ。皆来るべきだよ」と笑いながら語ったものの、買い物リストの内容は明かさなかった。

 Shiroma氏は、ブラジルでは性生活を刺激的にするためのイニシアチブを女性がとることが多いと語る。最大の理由はパートナーを別の女性にとられることを恐れていることだという。

 さらに、女性はイベントで行われるストリップショー(時にはライブのセックスショーのこともあるが)も熱心に見るという。たしかに、3人の女性によるステージの観客の3分の1以上は女性が占めている。

 出演者の1人でポルノスターとしてブラジルで有名な女性によると、ショーの後、どうすればポルノスターになれるかを女性から尋ねられることがたびたびあるという。

 工業関連団体のアダルト市場に関する統計によると、アダルト産業の年間売上額は8億レアル(約500億円)に上るという。人口1億9000万人の国にしては少ないが、Shiroma氏は同国のアダルト産業は誕生してからわずか30年しかたっていない上、年15%の割合で急成長していると強調する。(c)AFP/Marc Burleigh