【4月12日 AFP】ロシアで需要が急増する「魔術師」や「治療師」に対し、登録を義務づける法案が近く下院に提出される。ロシア新聞(Gazeta)が11日に報じた。

 この法案では、登録者以外は新聞広告が禁じられる。

 立案者の1人ウラジーミル・メジンスキー(Vladimir Medinsky)議員は法案の導入部分で、大衆紙を彩る小さな広告にさげすみのまなざしを向けつつ、「魔術師の広告を信用する市民はつまらない詐欺にひっかかりがちだ」と指摘している。

 ロシアの新聞には、交際相手を探す人や仕返しを企てる人々を狙った、占い師や、怪しげな薬やまじないのたぐいに関する情報提供の広告があふれている。

 例えばTvoi Den紙は毎金曜、お金がもうかる、夫が戻ってくる、アルコール依存症が治るなどといった自称魔術師による「強力なまじない」の広告を掲載している。

 ロシア新聞によると2007年前半の広告市場全体の収益が3000-4000万ドル(約30-40億円)のところ、魔術業界だけで1年間の推定収益は500万ドル(約5億円)に上る。

 同紙によると保健省の統計ではロシア国内だけで約10万人が魔術師として働いているが、その大部分が未登録だという。(c)AFP