【4月12日 AFP】(一部更新、写真追加)チベット(Tibet)自治区での暴動弾圧などをめぐり中国への批判が強まるなか、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)で11日、北京五輪の聖火リレーが行われた。これまでと異なり、目立った混乱はなかった。

 チベット支持派が「意表を突く行動」を予告する一方、欧米での妨害をふまえ、聖火の護衛を強化。警官1200人、沿岸警備隊員1500人が動員された。

 曇り空の下、セーリングのCarlos Espinola選手がリレーをスタート。Espinola選手は第1走者に予定されていたサッカーのディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)元選手がメキシコから時間通りに帰国できなかったため急きょ代役を務めることになった。

 市内中心部にある大統領官邸ローズハウス(Rose House)前の広場では数千人が歓声を送った。

 途中船で運ばれるなど13キロメートル、3時間に及ぶリレーをテニスのガブリエラ・サバティーニ(Gabriela Sabatini)選手が締めくくった。

 2人が水の入った風船のようなもので聖火を消そうとしたが、警官に取り押さえられた。2人は身元確認の上解放された。これ以外で警察が目撃あるいは報告を受けた問題もほとんどなかった。

 リレー開始直前にそれぞれ50人ほどのチベット支持派と中国支持派がコース上でにらみ合いとなったが、警察が解散させた。沿道では中国政府による弾圧を批判するプラカードが見られたものの、リレーに直接の影響はなかった。

 ブエノスアイレスは南米大陸で唯一の通過地。アルゼンチンで聖火リレーが行われたのは初めてだった。

 この後、聖火はタンザニアに向かい、13日にリレーが行われる。(c)AFP