【4月8日 AFP】大金持ちのボーイフレンドを手に入れることを目指し、自分のアバター(仮想キャラクター)をセレブに育て上げる少女向けオンラインゲームサイト「ミス・ビンボー(Miss Bimbo)」に対し、フェミニストや児童心理学者などから批判が相次いでいる。

 フランス人のサイト創設者ニコラ・ジャカール(Nicholas Jacquart)さん(23)によると、サイトユーザーはフランス語版で120万人、英語版で40万人いるという。

 登録は無料だが、アバターに洋服やアクセサリーを身につけさせたり、豊胸手術を受けさせるためには料金がかかる。例えば、日焼けマシンは60ビンボードル、水のボトルは5ビンボードル。これらの料金はネット決済サービスを使って支払う。

 マスコミからの注目があまりにも高く、アバター向けのダイエットピルの販売を中止する事態に至っているという。

 ジャカールさんはAFPの取材に対し、「これは現実世界を皮肉ったゲームだ」とし、害があるとは思わないと語る。

 10代の少女を専門にする心理セラピストは「(ゲームの)メッセージが憂慮すべき内容であるため、非常に危機感を覚え、ショックを受けた」と言う。「外見にばかり気を遣い頭は空っぽ」という意味の女性をさげすむ「ビンボー」という言葉にもいら立ちを隠さない。ダイエットピルがサイトから消えたことは前向きなことだとしながらも、「『ビンボー』になることを積極的に勧めており、成功を収めたり教養を身につけたりすることを促すものではない。セレブや『ビンボー』と自分を比較し始めたら外見ばかりを気にするようになり、摂食障害を発症したり自分を低く評価するようになりかねない」とサイトを批判する。

 教育ソフト開発会社の経営者は、「ミス・ビンボー」がバービー人形や子ども向け仮想現実サイトでの遊びの範囲を超えていると指摘する。「登場人物に名前をつけ、アバターの世話をし始めれば、それらは自分自身の延長となる。人形と遊ぶよりたちが悪い。資産家のボーイフレンドを手に入れるためにバスト・ウエストのサイズやダイエットを気にするようになるのは、少女にとって有害だ」と語る。

 一方、ジャカールさんはこのような批判に対し、豊胸手術やダイエットピルはサイトのほんの1部に過ぎないと反論。「ファッションアイテムは1000以上あり、ユーザーの平均年齢は18歳だ。1部の人が言うように9歳から13歳ではない」と話す。

 ジャカールさんは現在、「ミス・ビンボー」をソーシャルネットワーキングに拡大することを検討中だと語り、「子どもたちが自分の体を受け入れることを学ぶ手助けとして、拒食症などについて語るフォーラムを設けたい」との抱負を述べた。(c)AFP/Rob Lever

「ミス・ビンボー」の公式ウェブサイト(英語)