【4月6日 AFP】北京五輪の聖火リレーが5日、3番目の目的地、ロシアのサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で始まった。

 サンクトペテルブルクでは南部にある第2次世界大戦を記念した広場を出発し、中心部の冬宮広場まで約20キロを80人のランナーが走る。

 最初の走者は1952年に砲丸投げで金メダルを獲得したガリナ・ジビナ(Galina Zybina)選手(77)。ジビナ選手は大戦中、当時レニングラード(Leningrad)と呼ばれていたこの都市をドイツ軍が包囲した際の生き残りでもある。

 サンクトペテルブルクに聖火が到着したのは1980年のモスクワ五輪以来28年ぶり。ほかに、初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ(Valentina Tereshkova)氏やサッカーのアンドレイ・アルシャビン(Andrei Arshavin)選手らがランナーを務める。

 軍服を着た兵士と軍の音楽隊が居並び、五輪旗とロシア国旗を手にした約2000人の観客が見守るなか、広場では聖火バトンへの点火式が行われた。式はサンクトペテルブルクに住む81人の金メダリストに捧げられた。

 ワレンチナ・マトビエンコ(Valentina Matviyenko)知事はジビナ選手がリレーの先頭を飾ることを「非常に象徴的」と述べた。

 一方、中国領事館の前では、改革派政党「ヤブロコ(Yabloko)」の党員1人が英語で「殺人をやめろ」と書かれた横断幕を拡げようとしたところ、建物の警備に当たっていた数十人の警官に拘束され排除された。中国のチベット(Tibet)問題に関する抗議活動はこれが唯一のものだった。

 サンクトペテルブルクでは目立った妨害の恐れはほとんどなかったものの、聖火が到着してからも当局はその所在を明らかにしなかった。(c)AFP/Marina Koreneva