【3月19日 AFP】性的誘惑に耐えたり、浮気をせずにいるためには、ビートルズ(The Beatles)の歌のタイトル通り「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」のようだ。

 これまで、数々の研究で、人間は欲求を満たすためには自己抑制ができないことが示されている。機会があれば、満足に浸りたいのが人間の常かもしれない。

 しかし、愛や性欲となると、この人間の特性が当てはまらなくなる。どうして、安定した関係にある人々は、相手の陰で得られる少しの性的欲求を満たすチャンスを、その後乗り越えられる場合でさえ逃してしまうのだろうか。

 この答えを調べるため、心理学者Gian Gonzaga氏は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California Los AngelesUCLA)に在籍中で、少なくとも3年間交際している男女60人を被験者として招待。人気のある出会い系サイトから、ダウンロードした写真を用いて、学生らが特に魅力的だと思う写真の男女を気に入らせる実験を行った。
 
 その後、魅力的だと思う人物の写真について、小論文を書かせ、Gonzaga氏は学生を3グループに分けた。第1グループは、今のパートナーに対して、愛を一番強く感じた瞬間について論文を書いてもらい、第2グループは、最も記憶に残っていて激しい性的経験を思い出してもらった。第3グループには、小論文の内容は自由とした。

 全グループの学生には、小論文を書いている間に、写真の中の魅力的な男女について考えないように指示が与えられ、誘惑に負けて考えてしまった場合は、チェックを付けなければいけなかった。

 性欲よりも愛に焦点を当てた第1グループは、迷いが生じた回数が第2グループの3分の1だった。第3グループは写真が頭から離れず、第1グループの6倍のチェックが入った。

 Gonzaga氏は、「ロマンチックなパートナーに愛を感じると、他人を魅力的だと思わなくなる」と語る。この研究は、英科学誌ニュー・サイエンティスト(New Scientist)などに掲載されている。(c)AFP