座礁したクジラをイルカが救う、ニュージーランド
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【3月12日 AFP】ニュージーランドの浜辺で座礁し動けなくなったクジラ2頭を、自然保護担当局の職員が海へ帰そうとしたがうまくいかずあきらめかけたところ、現れた1頭のイルカが2頭を無事に水先案内し、沖へ連れ帰った。12日にこの出来事を発表した現地の担当職員マルコム・スミス(Malcolm Smith)さんは「こんなことは聞いたことがない。素晴らしい」と驚いている。
スミスさんは10日、座礁していたコマッコウクジラ2頭を海へ帰そうと、1時間半以上にわたって格闘したが、クジラは繰り返し浜にあがってしまった。そこに地元住民から「モコ」という愛称で呼ばれているメスのバンドウイルカが現れ、クジラたちと明らかにコミュニケーションをとった後、2頭を安全な方角へ案内して行ったという。
打ちあがっていたクジラ2頭は、体長3メートル程度のメスのクジラと1.5メートルのオスの子クジラ。海岸沖の砂州に惑わされ海へ戻れなくなったようだったという。
現場はニュージーランドのマヒア(Mahia)半島の海岸。夜明けに住民の通報で自宅近くの浜に駆けつけたスミスさんは、クジラを救おうと試みたが、クジラは浜から動けず体力を消耗し、スミスさん自身も水に濡れ寒さで限界を感じた。こうした場合、地元ではクジラの苦しみを和らげるため、通常は人の手で安楽死させている。
しかし、この現場に「モコ」が現れた。スミスさんは、クジラたちと「モコ」が互いにしっかり「声を出して」やりとりするのを聞いた。「クジラたちとイルカが話したんだ。イルカはクジラたちの横を平行して泳ぎ砂州の入り口まで約200メートルほどをエスコートして行った。その後、垂直にターンして、とても狭い水路を抜けてクジラたちを外海へ連れて行った」
それ以降、浜にクジラは打ち上げられていないので無事に帰ったとみられる。「どんな『話』をしたのかは分からないし、イルカとコマッコウがコミュニケーションできるとも思っていなかった。けれど、モコが2頭を安全なところへ案内できたことは確かだ」
マヒア沿岸では多いときは年間30頭のクジラが座礁するが、その大半は安楽死の道をたどらざるをえないという。スミスさんは「次にクジラが打ち上げられても、モコがまた現れるかどうかは分からない。けれど今回は文句なしで彼女はわれわれとクジラを助けてくれた」と語った。(c)AFP/David Brooks
スミスさんは10日、座礁していたコマッコウクジラ2頭を海へ帰そうと、1時間半以上にわたって格闘したが、クジラは繰り返し浜にあがってしまった。そこに地元住民から「モコ」という愛称で呼ばれているメスのバンドウイルカが現れ、クジラたちと明らかにコミュニケーションをとった後、2頭を安全な方角へ案内して行ったという。
打ちあがっていたクジラ2頭は、体長3メートル程度のメスのクジラと1.5メートルのオスの子クジラ。海岸沖の砂州に惑わされ海へ戻れなくなったようだったという。
現場はニュージーランドのマヒア(Mahia)半島の海岸。夜明けに住民の通報で自宅近くの浜に駆けつけたスミスさんは、クジラを救おうと試みたが、クジラは浜から動けず体力を消耗し、スミスさん自身も水に濡れ寒さで限界を感じた。こうした場合、地元ではクジラの苦しみを和らげるため、通常は人の手で安楽死させている。
しかし、この現場に「モコ」が現れた。スミスさんは、クジラたちと「モコ」が互いにしっかり「声を出して」やりとりするのを聞いた。「クジラたちとイルカが話したんだ。イルカはクジラたちの横を平行して泳ぎ砂州の入り口まで約200メートルほどをエスコートして行った。その後、垂直にターンして、とても狭い水路を抜けてクジラたちを外海へ連れて行った」
それ以降、浜にクジラは打ち上げられていないので無事に帰ったとみられる。「どんな『話』をしたのかは分からないし、イルカとコマッコウがコミュニケーションできるとも思っていなかった。けれど、モコが2頭を安全なところへ案内できたことは確かだ」
マヒア沿岸では多いときは年間30頭のクジラが座礁するが、その大半は安楽死の道をたどらざるをえないという。スミスさんは「次にクジラが打ち上げられても、モコがまた現れるかどうかは分からない。けれど今回は文句なしで彼女はわれわれとクジラを助けてくれた」と語った。(c)AFP/David Brooks