【3月7日 AFP】米国人男性は家事を従来の2倍こなすようになったことで、よりよい性生活を送れるようになったと考えられる―このような調査報告の概要が6日、Council of Contemporary FamiliesCCF、現代家族協議会)のウェブサイトに掲載された。

■男性への「ご褒美」

 カリフォルニア大学リバーサイド校(University of California, Riverside)の社会学者で報告の共著者のスコット・コルトレーン(Scott Coltrane)氏はAFPに対し、「概して、男性の家事負担量が多ければ多いほど、女性の幸福度は増す」と語る。

 報告は「男性が家事をたくさんこなすようになれば、女性側の平等感や結婚生活への満足度が高くなり、夫婦げんかが減る」としている。

 家事負担の増加に対する「ご褒美」として、セックスの回数が増えることもあるという。

「われわれ社会学者は普通そういう発想をしないが、セラピストは男性の家事負担率とセックスの回数に直接的な相関関係があるとしている」とコルトレーン氏は語る。

 心理学者でCCFの上級職員のジョシュア・コールマン(Joshua Coleman)氏もCCFのウェブサイトで、家事分担は結婚生活の満足度の向上と関係があり、セックスの回数増加につながりうると同意している。「家事を負担する夫に対する妻側の性的関心や愛情が高まる」というのだ。

■男性の家事負担は世界的現象

 家事の負担に加え、米国人男性が子どもと過ごす時間は1960年の3倍になっているという。この時間は女性でも2倍になっており、両親が子育てに費やす時間が増えていることがうかがえる。

 反面、子育て時間の増加は夫婦だけの「ロマンチックな」時間を減らし、親密な関係にマイナス影響をもたらすこともあるようだ。

 男性の家事負担は世界的な現象だとコルトレーン氏は指摘する。「イタリアやスペインでさえ、男性が以前よりたくさんの家事をこなすようになった」という。

 男性の家事負担量はまだ女性の半分程度とはいえ、良い方向に向かっており、逆行する可能性は低いと報告は結論付けている。

 一方、米国での共働き家庭への社会支援システムは十分とは言えず、母親に対する有給休暇は補償されていない。

 報告の全容は4月にシカゴ(Chicago)で開催されるCCFの年次総会で発表される。(c)AFP/Karin Zeitvogel