【3月6日 AFP】全盲の英国人ランナーが4日、4月に7日間・7大陸・7連続のフルマラソン完走に挑むと発表した。盲導犬育成のための資金を募るためだという。

 デイブ・ヒーリー(Dave Heeley)さん(50)の挑戦は、4月7日午前0時1分に南大西洋のフォークランド諸島(Falkland Islands)でのフルマラソンからスタートする。ゴール後はチリの首都サンティアゴ(Santiago)に飛び、同日2度目のフルマラソンにチャレンジ。

 そのあとロサンゼルス(Los Angeles)、シドニー(Sydney)、ドバイ(Dubai )、チュニス(Tunis)を走り、13日のロンドンマラソン(London Marathon)で感動のフィニッシュを迎える。

 今回の挑戦のために何百キロも走り込んできたというヒーリーさんは、「相当疲れることは覚悟。でも、ロンドンマラソンまで走りきったあとの今年のメダルは格別だ」と話す。

 英国ウエスト・ブロムウィッチ(West Bromwich)出身のヒーリーさんには、先天的な目の病気のため、16歳の時に完全に失明。走ることへの興味を失ってしまった。だが40歳の時、盲導犬育成資金を集めるためにある盲人がロンドンマラソンを走るというニュースを聞いて、自身も再び走り始めたという。

 そしてこの10年間でフルマラソンを7回(うちロンドンマラソン6回)走り、総計20万ポンド(約4100万円)を集めた。ヒーリーさんは、今回だけで個人および法人から100万ポンド(約2億円)が集まると強気に見積もる。

 ヒーリーさんとランニングガイドのマルコム・カー(Malcolm Carr)さんには、4人のサポートチームが同行する。だが相棒の盲導犬、ウィクシー(Wicksie)君は家でお留守番だという。

 過酷な挑戦に立ち向かうヒーリーさんだが、飛行機には不慣れで、いちばん心配なのは飛行機だと言う。「飛行機が無事着陸した時ほど幸せを感じることはないよ。でもマラソンを走ったあとは機中でも寝れるだろうけどね」(c)AFP