【1月30日 AFP】「北のベニス」と称される絵のように美しいベルギー北東の町ブリュージュ(Bruges)で今、法務当局のトイレットペーパー代金未払いをめぐって騒動が起きている。

 トイレットペーパーの納入業者が代金未払いに対する抗議行動として納入を停止したため、29日、判事や検事を含む裁判所当局者にトイレットペーパーを持参するよう通達が出された。政府報道官が明らかにした。業者側によると、数千ユーロ(数十万円)の代金が未払いになっているという。

 トイレットペーパー20ロールが同日に裁判所に「緊急供給」されたが、業者側は代金が支払わられなければ通常の納入は再開しないと主張している。

 ベルガ(Belga)通信は、ブリュージュの裁判所にあるトイレのドアに貼られた「これ以上ちり紙はありません」と書かれた張り紙が、当局のほかの発表よりも状況を端的に示しているかもしれないと報じている。

 この騒動は国レベルの問題に発展し、法相は前政権が事務処理を怠ったとして非難している。

 ヨ・ヴァンドゥールゼン(Jo Vandeurzen)法相の報道官は、今回の騒動について「たいしたことではないように見えるかもしれないが、実際には大きな問題だ。代金を支払わない人々を非難する立場の司法機関が、同じ罪を犯している」と遺憾の意を示した。

 また「この問題は前政権の遺物で、容認できるものではない」と主張。新内閣が発足しない政治空白が半年以上続いていたベルギーでは、前月に暫定内閣が発足し、法相も前月就任したばかりだ。

 同報道官によると、トイレットペーパーの代金が支払われていない理由を究明するため内部調査が行われているが、同国で常態化した司法関連の予算不足が原因なのは明らかだとしている。(c)AFP