【1月23日 AFP】父親捜しの旅で台湾を訪れたベトナム人女性が、実の父とも知らずに父親宅で家政婦として7か月間働いていた。父親と警察による22日の台北(Taipei)の記者会見で明らかになった。

 Tran Thi Khamさん(40)は2005年、まだ見ぬ父親を捜すために台湾にやってきた。台湾人の父親は1967年にベトナム人の母親と香港(Hong Kong)で交際。母親はTranさんを身ごもったが、家庭内の事情で父親と別れベトナムへ帰国。Tranさんを出産して2か月後に死亡した。遺品は、イニシャルが刻印された金の指輪と、娘の存在を知らない父親の写真だった。

 Tranさんは台湾に渡った後、台北でTsai Han-chaoさんに家政婦として雇われ、体の不自由な妻の介護をしていたが、7か月後に妻が死亡したため、お役ご免となった。

 Tranさんには次の家政婦の仕事が見つかり、金門島(Kinmen)に向かったが、父親の指輪と写真を入れたかばんをTsaiさん宅に置き忘れてきたことに気づき、警察に通報した。

 警察から連絡を受けたTsaiさんが中身をあらためると、かばんの中にはかつての恋人にプレゼントした指輪が。はっとしたTsaiさんは金門島に直行、娘と感動の再会を果たした。

 DNA鑑定でも2人が親子であることが確認された。Tranさんは早速、家族関係の手続きを片付けるためベトナムに帰国したという。(c)AFP