【1月18日 AFP】旧チェコスロバキアで撤去されたウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)の銅像を買い取り、南仏モンペリエ(Montpellier)の広場に設置する計画をめぐり、ラングドック・ルシヨン(Languedoc Roussillon)地域圏議会のジョルジュ・フレッシュ(George Freche)議長が厳しく非難されている。

 この重量7トンの銅像は、旧チェコスロバキアから米国に持ち帰られたもので、現在は米ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)在住の人物が所有。地元有力紙Midi Libreによると、この人物は15万(約1600万円)-25万ドル(約2700万円)の売値を提示しているという。

 フレッシュ議長は仏フィガロ(Le Figaro)紙の取材に対し、銅像の購入計画について「良いことだ」と断言。レーニンについては毛沢東(Mao Zedong)やドゴール(Charles de Gaulle)と並ぶ「20世紀で最も偉大な人物の1人」と言い切った。

「レーニンはもちろん間違いも犯したが、歴史に名を残した人物。ロシアではスターリン(Joseph Stalin)も再評価されつつある」(フレッシュ議長)

 購入計画の意義についてフレッシュ議長は「旧ソ連建国の父であるレーニン像を見ることで、市在住の若者たちに歴史感覚が培われる」と話している。

 これに対して3月のモンペリエ市長選に立候補している右派議員のJacques Domergue氏は、「(レーニン像の設置は)モンペリエ経済の発展にとって、考え得る中で最悪のメッセージだ」と非難している。

 フレッシュ議長は昨年、「サッカーのフランス代表チームには黒人選手が多すぎる」と人種差別的な発言をして社会党(Socialist Party)から除名されるなど、たびたび物議をかもしている。(c)AFP