【1月17日 AFP】日本からのブラジル移民が始まって、今年6月18日で100周年を迎える。ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は16日、首都ブラジリア(Brasilia)で開催する式典で、数か月にわたる記念行事の幕を切って落とす。

 現在、ブラジル国内の日系人は約150万人。海外の日系人社会としては最大規模だ。ブラジル政府は一連の記念行事について、「日本からの移民と子孫の日系人がブラジル社会の発展に果たしてきた功績を称える」ものだと声明で発表した。

 200を超える記念行事が企画されており、6月18日、皇太子さまの同国訪問で最高潮を迎える。

■至る所に見られる日系人の足跡

 1908年6月18日、781人の日本人が笠戸丸(Kasato Maru)で神戸(Kobe)を出港、ブラジルを目指した。コーヒー農園で働くためだった。その後45年間で約19万人の移民が海を渡り、ドイツやイタリアからの移民とともに農園で働いた。

 今、日本人移民の足跡はブラジル中至る所で目にすることができる。欧州やアフリカからの移民との混血も珍しくない。

 日系人の約70%が住むサンパウロ(Sao Paulo)では、豆と肉を煮込んだブラジルの郷土料理「フェジョアーダ(feijoada)」 と同じくらい、すし人気が高い。サトウキビからつくる蒸留酒「カシャサ(Cachaca)」をベースに作るカクテル「カイピリーニャ(caipirinha)」を、日本酒ベースで注文する人も少なくない。

 最近ブラジルで発行された日本文化に関するガイドブックに掲載されているサンパウロ市内の日伯文化交流施設は1650か所に上り、日本語、日本料理、カラオケを学べる学校なども420校紹介されている。

 移民たちは子どもたちの教育にも熱心で、弁護士や医者などの専門的職業に就いている日系人も多い。

■100周年を機に日伯の経済関係強化めざす

 日系人の多くは自分たちを「ブラジル人」と認識しており、日本語がまったく話せない人もいるが、それでも日本とのつながりは強く、現在日本に住む日系ブラジル人は30万人に及ぶ。

 ただ、ブラジルへの外国投資で日本が占める率はたった4%にすぎない。ブラジル政府は移民100周年を機に日本との経済関係を強化したい意向だ。(c)AFP/Yana Marull