【1月14日 AFP】1991年のアカデミー賞受賞作『テルマ&ルイーズ(Thelma and Louise)』の最後でグランド・キャニオン(Grand Canyon)への劇的な飛翔を見せた「フォード・サンダーバード」など1000台を超える名車が、15日から6日間の日程で開催される世界最大のカーオークション「バレットジャクソン・オークション(Barrett Jackson Auction)」に出品される。

 米アリゾナ(Arizona)州スコッツデール(Scottsdale)で行われる同オークションには約25万人のカーマニアが押し寄せ、20世紀初期のビンテージモデルなどをじっくり吟味する。ビンテージカーとともにまだ一般向けには販売されていない2009年の最新モデルなども出展される。

■クリントン前大統領の専用車も

 2007年の同オークションの売り上げは1億1200万ドル(約121億円)に上り、今年もそれを数千万ドル上回る売り上げが期待されている。

 停滞する米経済をよそに、同オークションの売り上げは、うなるほどの資金を有する裕福な熱狂家たちによって活発だと専門家らはみている。

 出演者のブラッド・ピット(Brad Pitt)とジーナ・デイヴィス(Geena Davis)がサインした『テルマ&ルイーズ』のサンダーバードのほか、ビル・クリントン(Bill Clinton)前米大統領が使用した防弾仕様の大統領専用車も出品される。

 より古い時代の車としては、ハリウッド黄金時代のスターたちが好んで乗った1928年式の高級車「デューセンバーグ」や、特注の1935年式「ロールス・ロイス・ファントムⅡ」などが出品される。

■ベビーブーマー市場参入で人気の「マッスルカー」

 しかし、オークションの目玉は何といっても1960-70年代に米国で生産されたV8エンジン搭載の大排気量・大馬力車「マッスルカー」だろう。マッスルカーの価格は、青春時代に憧れた「ドリームカー」を入手したいベビーブーマーたちが市場に参入してきたことで、ここ10年で劇的に上昇している。

 マッスルカーの中でも超高値が予想される車に、1960年代終わりに米国の伝説的ドライバーかつエンジニアのキャロル・シェルビー(Carroll Shelby)が改造を手がけた「フォード・マスタング」がある。シェルビー自身が所有した1969年型マスタングGT500コンバーチブルと、1967年に息子に譲られたマスタングGT500は、歴史的高値で競り落とされるとみられている。

 このほか、2006年の映画『マイアミ・バイス(Miami Vice)』に登場したハマー(Hummer)や、1980年代のテレビシリーズ『爆発!デューク(The Dukes of Hazzard)』でおなじみのダッジ・チャージャー(Dodge Charger)なども注目だ。(c)AFP