【1月7日 AFP】英国では「十二夜(Twelfth Night)」の迷信も手伝って、クリスマスの装飾は6日までにほとんど姿を消した。そんな中でたった1人、15年間毎日がクリスマスという男性がいる。

 アンディ・パーク(Andy Park)さん(43)の愛称は「ミスター・クリスマス」。「1月6日ごろを過ぎても装飾をしまわないのは縁起が悪い」という十二夜の迷信など気にしない。

 パークさんはバツイチの電気技師で1児の父。いつものようにツリーに新しい飾り付けをしてから、日々の日課としているミンスパイと七面鳥(いずれも典型的なクリスマスのごちそう)を食べてシェリー酒を飲み、自分のために買ったプレゼントの箱を開ける。

 6日は「僕にとって悲しい日。ほかの人がみんな飾りを外してリサイクル箱に入れてしまうから。でも僕はバーゲンの安売り価格で買った新しいのを全部飾って、できるだけのお祭り気分を出すんだ。クリスマスのために戦い続けるつもりだよ」とパークさんは言う。

 この果てしないクリスマスは1993年7月、落ち込んだ気分を盛り上げようと、クリスマスの飾り付けをしたことから始まったという。「突然幸せな気分になって、これは楽しいと思った。だから翌日も、その翌日も同じことをした」

 それ以来、朝起きると朝食代わりにミンスパイを7-8個食べ、シェリー酒を1杯飲むのが日課になった。「次に自分のためにラッピングしたプレゼントを開ける。毎年自分にいい物を贈ってきたよ。ある年なんか、メルセデス(Mercedes)をもらったんだ!」

 仕事に出かけて3時間ほど働いた後は、帰宅してクリスマスディナーを食べ、締めくくりにシャンパンを1杯。それから英国女王伝統のクリスマスメッセージを見る。

「周りからは気が変だと思われているけれど、自分をもてなして楽しんでいるのは世界でたった1人、僕だけだ。まねしようとした人もいたけれど、続かなかった。もちこたえられるのは僕しかいない」

「わが家を訪れた人は、悲しい顔が笑顔になって、ずっと幸せが続くんだ」と話すパークさん。もっとも「娘は昔は一緒に楽しんでくれたけれど、22歳になった今はちょっと恥ずかしいと思っているようだ」と打ち明けた。(c)AFP