【1月6日 AFP】病状悪化が報じられていたインドネシアのスハルト(Suharto)元大統領の容体について担当医は6日、依然予断を許さない状態ながら改善のきざしが見えると発表した。

 元大統領は前週初めに自宅で体調を崩し、4日に心臓と肺の機能低下などで入院した。医師団が治療に当たっているが、5日に予断を許さない状態と診断され、血液透析を受けた。

 医師団のMarjo Soebiandono長は「容体が改善していることを示す良い兆候が複数表れている」と述べた。血圧が回復し、笑うなど感情を表すこともできるという。ただ話すことはできないという。

 記者発表によるとスハルト氏の心臓と肺の機能は回復し、浮腫は減っているという。
 同氏の6人の子ども、スシロ・バンバン・ユドヨノ(Susilo Bambang Yudhoyono)大統領を始め政府要人が病院を訪れている。

 過去数年、スハルト氏は心臓発作や腹部異常などで入退院をくり返している。同氏は在職中、家族や側近を巻き込んだ不正蓄財で訴えられていたが、健康悪化のため2006年、訴えは取り下げられた。

 しかし民事訴訟は行われており、政府は14億ドル(約1520億円)の損害賠償とスハルト氏が代表を務めていた財団を通じて得ていたとされる資産の返還を求めている。(c)AFP/Zulhefi