【12月26日 AFP】2007年も動物をめぐり、世界各地で数々の珍事件が起きた。

●警官隊、銀行強盗ネコを包囲
フィリピンのある銀行内で、防犯警報装置が怪しい動きをとらえ作動した。重装備の警官隊が建物を取り囲み、一つの出口以外をすべて封鎖。武装強盗を予想し身構える警官隊の前に現れたのは、悠々と歩く1匹のネコ。このネコは屋根に開いた小さな穴から銀行内に入っていたとみられる。

●バイアグラ投与ハムスターで、イグノーベル賞
毎年ノーベル賞と同時発表されるイグノーベル賞(Ignobel)は、「おかしいけれど考えさせられる研究」に贈られる。今年は、「ハムスターの時差ボケをバイアグラの投与で解消する」研究や、「ラットは逆再生された日本語とオランダ語を区別できるか」についての研究などが受賞した。

●パーティー・ドラッグ服用のネコ、病院へ搬送
オーストラリアの動物病院に、一匹の飼いネコが運び込まれた。瞳孔が開き、鼓動は速まり、挙動は不審。診察の結果、パーティーの後に残されたコカインなどのドラッグを「服用」していたことが分かった。ネコは後に回復した。

●大型動物への麻酔は要注意
スウェーデンの動物園で、大型動物の治療には大きな危険が伴うことが証明された。キリンに麻酔を掛けたところ、立ち会っていた園職員たちの上に倒れてしまったのだ。下にいた園長は脳しんとうに見舞われ、不運なキリンはこの転倒が原因で死亡した。

●チョコの卵を温め続けた鳥
英国の野生生物保護区に生息する17歳のコカトゥー(オウムの一種)は、チョコレートのイースターエッグを本物の卵だと思い込み、その上に2週間座って温め続けた。

■一風変わった動物保護

●「トゲだらけ」の問題を丸く収めるには?
ハリネズミは英国本島では絶滅の危機にある。路上で車にひかれることが多いためだ。一方、スコットランドのウイスト(Uist)島ではハリネズミの数が増えすぎており、希少な鳥類の卵を食べる厄介者となってる。スコットランド当局はハリネズミを退治したいが、そうなると動物愛好家からの反発は避けられない。そこで、ハリネズミを生け捕りにして、英国本島に放すという方策で、この問題を解決した。

●元閣僚の自宅を家宅捜索、捜査対象は「珍獣」
バングラデシュの汚職取り締まり当局が、元閣僚の自宅を捜索した。目的の押収品は、不正入手したぜいたく品ではなく、数々の珍獣たちだった。違法に飼われていた動物には、シカ4頭、クジャク7羽、オーストラリア大陸の巨鳥エミュ2羽のほか、珍種の鳥類が多数含まれていた。

●「厄介なヒキガエルはゴルフボールに」と、当局が提案
オーストラリア北部のクイーンズランド(Queensland)州にあるゴルフ場では、外部から持ち込まれ厄介な疫病を引き起こしているオオヒキガエルが、地元ゴルファーたちを悩ませている。当局がゴルファーたちに対し、「オオヒキガエルをボールにしてはどうか」と冗談交じりの提案をすると、動物愛護者たちはこの提案に反発の意向を示した。

●はかなく消えたコイ
中国の漁業関連当局は、地元の川にコイを補充するため、トラック13台分の生きたコイを放流した。しかしその大半は、押し寄せた近隣の住民たちによって、下流ですぐに捕獲されてしまった。

■飼い主と動物のおかしな関係

●今風の羊飼い
田園を歩くのどかなイメージで親しまれてきた羊飼い。だが、ギリシャにある羊飼いが登場したことで、そのイメージはまたたく間に崩れた。この羊飼いはヒツジの群れが、自分の車についてくるように訓練。数年後、裕福になった羊飼いはもはや、群れとともに歩くことができなくなっていた。

●飼い犬に撃たれたハンター
米オハイオ(Ohio)州でキジ撃ちに出かけた男性が、飼い犬に撃たれて重傷を負った。撃ち落としたキジを拾おうと銃を地面に置いたところ、引き金の上に飼い犬が乗り、弾が男性に命中した。

■世界も注目、動物スターに動物富豪

●「犬版ハリウッドの殿堂」誕生
ハリウッドの殿堂「ウォーク・オブ・フェーム(Hollywood Walk of Fame)」のイヌ版がロンドン(London)に登場。初の殿堂入りを果たしたのは、映画スターの名犬ラッシー(Lassie)やハリーポッター(Harry Potter)シリーズに登場するファング(Fang)など。ベルギーの人気漫画「タンタン(Tintin)」シリーズのファンの間では、少年新聞記者タンタンの相棒のスノーウィー(Snowy)が殿堂入りしていないことを惜しむ声があがっている。

●世界一の富豪イヌに脅迫状
トラブル(Trouble)という名のマルチーズが、ニューヨーク(New York)の自宅からフロリダ(Florida)州の極秘の場所に移された。トラブルは、米国のホテル女王、レオナ・ヘルムズリー(Leona Helmsley)さんから1200万ドル(約13億円)の遺産を相続。おそらく世界一裕福なイヌであるトラブルに、殺害の脅迫が多数届いていたという。(c)AFP