【12月25日 AFP】中国・湖北(Hubei)省宜昌(Yichang)市の動物園「宜昌三峡森林野生動物世界(Three Gorges Forest Wild Animal World)」で、ベンガルトラの赤ちゃん2頭の死体がチケット売り場の冷蔵庫の中から発見された。この動物園では数日前、絶滅危惧(きぐ)種のシベリアトラが殺される事件が起きたばかりだった。国営新華社(Xinhua)通信が25日伝えた。

 地元当局者によると、同動物園の飼育係はこの赤ちゃんトラについて、誕生直後に死亡し保管のために冷蔵庫に入れたと主張しているという。

 新華社通信によると、数日前に同じ動物園で6歳になる雌のシベリアトラが殺される事件があり、捜査の過程で冷蔵庫に入ったトラの赤ちゃんを発見したという。トラの赤ちゃんは11月下旬に死亡したとみられている。

 シベリアトラの事件では、トラは皮をはがされ、頭部や足を切断されており、当局者は「残忍なプロの手口だ」と語った。

 中国やアジア諸国では、トラの体の部位は漢方薬や媚薬の材料として用いられ高値で取引されている。

 中国北東部からロシア極東地域に生息するシベリアトラは、世界で最も絶滅が懸念されている。現存する野生のシベリアトラは推定400頭とされており、うち10-17頭が中国国内に生息しているとみられている。(c)AFP