【12月11日 AFP】10日に公表された調査結果によると、「報道の自由」をめぐる欧米の価値観は必ずしも世界各国で共有されていないことが明らかになった。ロシア、米、英などの先進国では報道内容への信頼性が低い一方、インド、ケニアなどでは非常に高いことも分かった。

 同調査は、英国放送協会(BBC)の国際放送BBC World Service開始75周年を記念して、カナダの調査会社GlobeScanに委託して行われたもので、10月と11月の2か月間に1万1344人を対象に「報道の自由」に関する意識を調査した。

 調査対象となったのは、米国、英国、ドイツ、ロシア、インド、シンガポール、ブラジル、メキシコ、ベネズエラ、エジプト、アラブ首長国連邦、ケニア、ナイジェリア、南アフリカの14か国。

 これによると、全回答者の56%が自由な市民社会には報道の自由が「非常に重要」と考えている一方、40%は報道の自由が多少制限されても社会の安定が重要だと考えていることもわかった。

 報道の信頼性および正確性については、公共、民間メディア間の差はほとんど見られなかったが、民間企業や個人によるメディア所有を懸念する国もみられた。特にブラジル(80%)、メキシコ(76%)、米国(74%)、英国(71%)で、メディアの個人所有による政治報道の偏向への懸念が高かった。 

 また、ドイツ(28%)、英国(29%)、米国(29%)、ロシア(27%)など、相対的に欧米諸国における報道の正確性への信頼度が低かった。一方、信頼性の数字が高かったのはケニア(61%)、インド(61%)、ナイジェリア(58%)、アラブ首長国連邦(52%)など。(c)AFP