【12月5日 AFP】経済協力開発機構(OECD)は4日、57の国と地域の15歳40万人を対象に2006年に実施した「国際学習到達度調査」(PISA)の結果を発表した。それによると、今回もフィンランドが科学的活用力、数学的活用力で上位となった。

 2000年、2003年に続いて3回目となる今回の調査では、科学的応用力、数学的応用力、読解力の3部門に焦点がしぼられた。

 科学的応用力では昨年から引き続きフィンランドが首位に。このほかカナダ、ニュージーランド、オーストラリア、オランダ、韓国、日本、ドイツ、英国が上位グループとなった。一方、最下位はアイスランドで、米国が下位グループの仲間入りをした。

 また、数学的応用力と読解力の部門では、フィンランドと韓国がともに上位グループに入っている。

 科学に興味があると答えた生徒は全体の72%にのぼったが、科学の道に進みたいと答えた生徒は37%にとどまった。 

 さらに、大気汚染や核廃棄物処理といった問題の解決策が20年以内に見出される思うと回答した生徒は6人に1人以下だった。

 今回の調査はOECD加盟国全体の生徒の間で、理数離れと環境への悲観論が広がっていることを浮き彫りにしている。同時に、1995年から2004年の教育部門の出費が平均39%増加したにもかかわらず、学力が停滞気味である実態も明らかになった。(c)AFP