【12月4日 AFP】6年前から動物保護を理由に仏の珍味フォアグラの販売を停止していた英高級スーパー大手のウェイトローズ(Waitrose)は1日、クリスマス用に新タイプのフォアグラ「faux gras(フォーグラ、「疑似フォアグラ」の意)」を開発したと発表した。

 フォアグラは、高価で脂身の多いパテで、カモやアヒルの肝臓から作られる。カモやアヒルは数か月にわたって強制的に餌を食べさせられ、その結果、肝臓が通常の10倍にまで膨れ上がる。

 動物保護を目的にウェイトローズが開発したフォアグラは、餌を強制的に与えられることなく、放し飼いで育ったカモやアヒルの肝臓から作られている。

 同社バイヤーのデビッド・ストーン(David Stone)氏は、「残酷な行為を強いることなしに、本物に限りなく近いものを作り出せた。従来のフォアグラは、英国の動物保護規定に反するため販売していない」と話す。また、今回の新製品に関して「美食界で渇望されていた食品が完成し、満足している。従来のフォアグラにひけをとらない高品質のパテを、動物に対して罪を犯すことなく作り上げた」と、自信を述べている。

 この新製品は、英国王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to AnimalsRSPCA)の認可も受けている。販売ターゲットは、世界中の動物保護推進者だという。

 フォアグラの生産は、フランスが世界第1位。年間約1万8450トンを生産、世界の全生産量約2万3500トンの約4分の3を占める。同国では、フォアグラはクリスマスや新年などの祝い事の席で出される伝統的な食品とされている。(c)AFP